吸収と表現の毎日

人生の余白を文字と旅で埋めていきたい

“Graphic Recorder”読了.

Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書

Graphic Recorder ―議論を可視化するグラフィックレコーディングの教科書

 

図が好きです、もしかしたら絵と同じくらい好きかもしれないぐらい好きです。

話を聞いたり、読書をしながら、並行して手を動かし、それを図や絵におこしていくのが小さい頃より大好きで、こどもがまだ字を読まなかった頃、図と絵で手紙をかいたりしていた。それはつまり、人間の言語習得の軌跡を追究し続けている私の仮説と実証の活動であり、単なる手の暇潰しでもある。どうやら「本をめくる以外にも何かさせてよ」と私の両手は訴える。小学生の頃、友人たちと日々両利きになるための訓練を続けた私は両利きである。だから、左手に本やその他の生活を任せて、右手は本の内容を図式化していくなんてことをたまに。

(その応用とは言い切れないけれど、)やっと、グラフィックレコーディングの話。
海外のカンファレンスだと1セッション終わる頃に1枚にまとめられたサマリーがぽろんとリリースされたりなんかして、そのサマリーがグラフィックだったりなんかして私はそれが好きだ。香港の幼稚園に通っている頃、ブロンドヘアの先生もそれをやっていた。今日何するかを説明しながらホワイトボードにどんどん絵を描いていく。で、その絵は1日が終わるまで消さない。こどもたちは1日の冒頭で、今日の流れを知り、その中で今どのタイミングを過ごしているのか理解しているのである。文字が読めても読めなくても、母語が英語でもそうでなくとも、全員がわかる方法である。

先日参加したAdvertising Week Asia@Tokyoでも、LINEのブースでセッションサマリーがグラフィックレコーディングされていた。日本のカンファレンスで、日本語で、実施されているのは初めて見たからとても嬉しくて、じっと後ろに立っていた。数日間に渡る複数のセッションを一つに収めるために大きなペーパーを縦割りにして描き進めていたけれど、やはりあれは、一つの内容につき、3:4か9:16ぐらいのペーパー1枚に描いて欲しかったりする。人間が慣れてしまった視認性というやっかいなクセが色々とあり、紙芝居、カメラの画角、縦に進むなら右から、横に進むなら左からみたいな。

昨年からグラフィックレコーディングをゆるゆると練習し始めているけれど、いつかはこれを特技と呼べるようにしたい。もう何百ページにも及ぶパワーポイントとはおさらばしたい。書く方も書かれる方も、お互い消耗してる。それにみんなすべてが機械的になりすぎて、近頃手書きのモノを見るとなんだかほっこりしないか。体形的に捉える、パーツを手の内にストック、あとはアウトプット。シンプルだけれど、簡単ではないそれをゆるりとやり続けていこうと思う。「なんのため」とかは特にないけれど、ただたのしいから。文字を追う目や音を追う耳に対して、私の両手が暇だから。脳がインプットだけに傾いていると理解が深まらない気がするから。相互理解とはアウトプットして初めてスタートラインに立つから。この本は、とても基礎的なところからちょっと練習してみようという気にさせるところまで薄く広く網羅されている。

 

あと、これだけは伝えたい。マインドマップとはまったく別物です。

 

大好きなIKEAのFilmのなかでもグラフィックレコーディングが使われているのでご紹介。


The IKEA Group - The Story of How We Work