吸収と表現の毎日

人生の余白を文字と旅で埋めていきたい

Short trip to Hakone.

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春節を迎えた週末、夕暮れ時から父も誘って家族で箱根へゆらりShort tripしてきた。

箱根天山湯治郷は、もう何年も贔屓にしている温泉。いまのところ、おひとりさまなら御身体に美術が施されていても問題ない。だから、お風呂場ではいいものが見れる。今日も背中一面に色とりどりの鳥の絵が施されている女性がひとり静かに湯から上下するのをじっと観察。美しい。感染症や周囲への恐怖心等のリスクさえなければ私も肩のあたりに描いて見たかった。

いつまでも入っていられそうなぬる湯に始まり、すべて露天にて構成されており、少しずつ温度や風呂の作りを変えている。しっかり温まってから岩に腰掛けて見上げた空に星の多いこと。旧正月だからか中国語を話す人が多かったけれど、みな静かに湯に収まっていた。そして、ここの上がり湯は、がつんと熱く身体をつかんでくるような感覚。

湯から上がって、脱衣所の急な階段を上がるとクッションの置かれた畳の休みどころがある。ここは夏場、窓が全開になって山から木々の香りがしてとても良い。たまに蜻蛉なんかが、あちらの窓からこちらの窓にふわりと抜けて行く。休みどころは離れにもあり、こちらは横になる場所とは別に、読書室もある。とにかく「おしずかに」という言葉が所々に掲げられ、日本で数少なとなってきた大人の空間が守られているような場所。だけど、こどもも行ける。

そうゆうのが大事なのではないかと思う。日本はこどもだから仕方ないとか、こどもがいるから親が何かを諦めるという場面が少し多い印象がある。我が家の方針としては、こどもの目線に合わせた思考を大切にするけれど、習慣性と新規性のバランスを見てこどもにとっての挑戦を増やしていき、こどもも大人の世界を理解する努力をすることが鉄則。その努力ができないのであれば大人の時間や空間には同席させない、私達には大人の時間が必要。だから、こどももしっとり静かに、そして割と長く湯につかる人になってきた。いい傾向。お互い歩み寄ろう。

湯浴みの後は猪鍋を突いて帰ってきた。

そういえば天山湯治郷に到着したとき、後ろから名前を呼ばれて軽く叫んだ。まさか箱根の山奥で会社の先輩に会うとは。こちらはShort trip、先輩は近くにお住まいだそう。平日がめくるめく過ぎていく会社だけに、そうゆう暮らし方もいいよなあと思った。

*Writing BGM

The Girl from Ipanemaが聴きたくなって。