吸収と表現の毎日

人生の余白を文字と旅で埋めていきたい

母の教え, 節句は大切に.

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「それぞれ理由があって存在していますので節句行事は大切に」。これは、小さい頃、母から言われた台詞。だから、季節の節句とクリスマスは必ず家族と過ごして大人になり、その教えはこどもが生まれる前から大切に守っている。

今日は桃の節句。ひな人形を飾り、桃の花を花屋で買い占めて来てお人形の側に添え、それらしい料理を準備。ここ数年、散らし寿司が続いたので手毬寿司に。魚屋で刺身と30分にらみ合い烏賊を取るか海老を取るか悩んでいたら天から母の声。その声に付いて、少し移動したら活き車海老が青や黄色の小さい手をくるくると動かして生け簀で跳ねていた。この子たちを白味噌とお酒につけてオーブンで焼くと決め、手毬用の刺身は烏賊、鮪、鯛に決定。薄焼き卵と高菜どちらで手毬を包むかも迷ったが、今年はしっかりした色味で並べようと思い高菜を選択。お祝い事なので手毬5種目は、お赤飯に。お吸い物は慣習通り、蛤に。母からの教え「蛤は前日までに準備」と言うのを忠実に守り3色麩、三つ葉と昨日購入しておいた。

その他のお皿は、一つ目、茄子炒りと呼ばれる宮城県の郷土料理。曾祖母の家の向かいの名産、山形屋仙台麩を用いたもの。夏に作るときは曾祖母流に茄子は厚く切り、ブラウンシュガー多め、醤油多めと味濃く作り、多めの水溶き片栗粉で固めに。冬に作るときは母流を採用し、茄子は薄く切り、甘さ控えめ、出汁醤油と少量の醤油で味付けも薄め、水溶き片栗粉も少な目でさらりと作る。こどもにもぜひ自身の遺伝子の原点を忘れないで欲しい、命がつながっていることについて先祖に大きな感謝をささげよう。
二つ目、新じゃがいもの鶏のそぼろお屑掛け。季節の味を楽しもう、新じゃがいもには味付けをせず茹でただけ、お屑掛けのほうににんべんの白出汁とウィスキーで少し味付け。いも類はぱさつきがちなので屑掛けでとろりと頂きたい、まだ寒いし。
三つ目、たらの芽の天麩羅。春の苦さは季節の変化で弱る身体を守ってくれると言って、母は良く蕗味噌などを作ってくれたが私は手抜きでさくっと揚げた。数年前に自ら掲げていた「丁寧に暮らしやがれ」という思いはどこ行ったのだ。
四つ目、亀戸大根の白出汁バターソティ。母の大切な友人であり、私の胃袋を掴んで離さない素敵な方が毎冬、亀戸大根を送ってくださるので母のレシピを再現。亀戸大根を縦に四分割し、鍋で大根がすっかり浸かる程度に水を加えて茹で、水かさが半分になったところで白出汁と酒を加え、もう間もなく水分が消えるところでバターを加え軽くソテーしたら完了。こちら、家族にも友人にも大人気メニュー。
これらに加えて、父からのワインとケーキ、祖母からのお雛祭りかまぼこ

桃の節句を迎え、季節はここから一気に春に。
そういえば昨晩、花粉症で喉を傷めたので父が言っていた"鼻うがいが効く"の一言を思い出し、お風呂で鼻からシャワーを投下して見事なまでに溺れ、死ぬかと思った。そして、諦めた私はもう枕を濡らして寝たわけ、鼻水で。可及的速やかに自宅の空気孔すべてに粘土でも詰めてやりたい。

みなさま、良い春を!(←鼻声)

*Writing BGM


Jacques Loussier Solo: Play Vivaldi from "The Four Seasons" (1997)
クラシックの春より、こっちが好き。JAZZの探り合いと瞬間に生産される音という儚さがたまらないんだよなあ。