吸収と表現の毎日

人生の余白を文字と旅で埋めていきたい

『ことばの歳時記』読了.

 

ことばの歳時記 (新潮文庫)

ことばの歳時記 (新潮文庫)

 

 新春らしく金田一晴彦先生の1冊で読み始めなど。1月1日から12月31日までコラムがあるからそれなりの頁数にはなっている。

クジラについて記述されているところが面白くて、“俳句では冬の景物とされているクジラは、漢字では魚編に「京」と書く。昔は魚の一種と考えられていたかもしれないが、科学の発達した今では、りっぱな哺乳類ではないか、それを魚編で書くとは、漢字が時代おくれであることを示す人がいる”とな。この後の文章も面白いのよ。

●ところで金田一先生と言えば言葉のプロ、国語辞典の監修でも名高い。さあ小学校に入学するぞという頃、私の日本語がちゃんぽんで不安を感じた祖父に買い与えてもらった国語辞典、愉しくて、毎日、朝日新聞と並べて読みふけった。読めない漢字がたくさんあってたどたどしく音読する私を見て両親が泣き笑いしていた家族風景が懐かしい。「旧軽井沢」も「いちにちかるいざわ」と読んだせいでいまだにいじられる、親に。

●そして、鯨。食べ物として大好きで、日本文化を誇りに思う。東京の魚屋ではあまり見かけないけれど、仙台の魚屋では普通に売っているので祖母の家に帰るたびに食べる。もう毎日買って食べる。もしかしたら2日連続で食べてるそれは同じ一頭なのかもしれないけれど。ただ、外国の方とは、鯨の話はしないようにしている。考え方がいろいろあるからね、あえておいしいとか言って野蛮と思われる必要はない、鯨については議論を巻き起こさず静かに食べ続けたい。

全然、本の話じゃない、まあいいか。
思考とは、派生していく先にも価値を置くものだろう。