『アルスエレクトロニカの挑戦』読了.
アルスエレクトロニカの挑戦: なぜオーストリアの地方都市で行われるアートフェスティバルに、世界中から人々が集まるのか
- 作者: 鷲尾和彦,アルスエレクトロニカ,博報堂
- 出版社/メーカー: 学芸出版社
- 発売日: 2017/04/28
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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また行きたいところが増えてしまった。そこは、リンツ。今年も9/6-9/10に開催されるARS ELECTRONICA FESTIVALに、今年の私は遭遇したい。
いつからだろうか、「村を買ってエコシステムをつくって有機的に回したい」という話を色々な方にしているけれど、リンツ市が実施している”ARS ELECTRONICA”と言う事業はまさに理想的なケースの一つ。電子音楽のフェスティバルというカタチでスタートし、現在はその発展形として拡張をし、「アイデア・イノベーション」の場であるPRIX ARS ELECTRONICAやFUTURE LAB(residence, research)、「実験・分析」の場であるFESTIVAL、「応用」の場であるCENTER、FUTURE LAB(project)やEXPORT、「サービス」の場であるSOLUTIONSと分類される。PRIXと呼ぶ国際コンペティション機能やFUTURELABと呼ぶ学術&応用研究的機能などなどエコシステムが拡張を遂げ機能していることが素晴らしい。ただ年に一度のイベント的に活動しているのではなく、街やコミュニティや住民、訪れる様々な地域の人を巻き込んでそれを大きなエネルギーにし前進している。絵に描いた餅でもなく、一度に広げた風呂敷でもなく、とはいえ小さくない。
そこの市民や育っていくこどもたちは、最新技術と銘打ってテレビで紹介される前に手で触れているんだそうで、よだれが出てしまいそうな話。市民が目撃できる可視化されたVISIONとでも言おうか。(ここで簡単に「未来」といえないのはたぶん若林さんのせいだな。さよなら未来とか仰るから)
ミラノサローネだったり、CESだったり、SXSWだったり、RISEだったり、モーターショーだったり、パリコレだったり、BURNING MANだったり、TEDtalksだったり、XPRIZEだったり、世界中にはいろんなものがあるわけだが、情報網が高度化し過度とも言える成長を遂げている今、世界は住み分けと競り合いの狭間で指数関数的にマッピングが進んでいる。私の中のジオグラフィ部がそれをカテゴリ別に地図へヒートマッピングしているのだけれど上手く可視化できていないことがもどかしい。なんていうかそうゆうことに時間や両手を割きたいのだけど、優先順位的に前に立ちはだかる物が多く恥ずかしながら時間が足りていない。
この本を読んで、感じるものはいっぱいあったのだけれど、我が身のなかで反芻していきたい要素として、公営企業群「グループ・リンツ」という組織の存在が大きい。非営利と営利のハイブリッド型事業は「村を買いたい」私にとって、学ぶものが多い。
借りて読んだ本なのだけれど買おうと思っています。
※ARS ELECTRONICA についての詳細は下記をどうぞ