吸収と表現の毎日

人生の余白を文字と旅で埋めていきたい

あの日からのこと.

f:id:angEllie:20180126163730p:plain今年もまた1/17を迎えた。
あの日、みなさんはどこにいてどのようにあの地震に向き合ったのでしょうか。
あの瞬間と、それからのことと。
それぞれにそれぞれの向き合い方があったのかなと。

当時、私は神戸から引っ越して横浜に暮らす小学5年生。かつて家族で住んでいた神戸市東灘区岡本の一軒家が全壊したこともあり、あの日を境に自分の生き方の方向性がどうなるのか意識する日々が始まったことを覚えている。

家族でBBQをしたベランダや、母と銀杏を焼いて叩き割った台所や、はしごをかけて収穫していた裏庭の枇杷の木や、人生で初めて蛞蝓に塩をかけた勝手口といった思い出深い場所が一瞬で消えてしまった虚無感。優しかった隣の家のお姉さんが家具に潰されて亡くなってしまったやりきれなさ。幼稚園の同級生の安否がわからないもどかしさ。そうゆういくつもの気持ちを11歳の胸のなかに抱えているのに、自分が暮らす横浜は何事もなかったように生活が続き、報道は時間が経つにつれて美談に溢れ、何とも言えない孤独感に落ちた時間があった。今はそれが人が強くいられる理由だったり、人々の関心を集めるための手段であることがわかるけれど、当時は耐えられないものだった。

翌年、私は更地になったかつての家を訪れ、何もないということと確実にそこで起きた事象を自分の目で目撃して、やっと自分の気持ちが第二ステップに移行した。

 

あの日は来年も再来年もやってくる。あの日を迎える私の置かれる状況はこの23年で大きく変化したし、これからもどんどん変化するんだろうけど、忘れちゃいけない何かをずっと大切に持っていたい。