吸収と表現の毎日

人生の余白を文字と旅で埋めていきたい

ミステリアス醸せない。

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通勤電車が混み過ぎていて、本の一冊も開くことができない。そして、電車が揺れる度に誰かのスマートフォンの角が肩のあたりにぐいと刺さってくる異様な東京。

「何度も当たっているんです」と言いたいのをぐっとこらえて妄想に入る。仕事の企画のことも、ダンスの構成のことも、この季節に作りたい料理のことも。色んな事を妄想しながら、私の私による私のためのDJである私は「今日は60s行っとこうか」とか、「ちょっとDeepにエキセントリックオペラの新曲漁ってみようか」などとAppleMusicをいじる。最近、イヤホンの不調が続いて音が飛ぶ。レコードかよ、とツッコむ。

或いは、大きな海を超えた向こう側に何人も大切な友人たちが住んでいて、時差を気にしながら(いや、実際には話す話題と時間帯に違和感がないか気にしながら)チャットする。そんな折に話題に上がった「ミステリアス醸せない」。学年に1人か2人はいそうな、魅惑のミステリアス系女子になれないというお話。全部、喋っちゃう。聞かれたら答えちゃう、聞かれなくても喋っている。もったいぶれない。たまに黙ってみる、ぬぬぬ無理だ呼吸困難起こします、そんなわけでやっぱりなれないミステリアス。別の友人に「どうやったらミステリアス系女子になれるか」と問うたら、「曖昧にしていなすんだよ」というから「曖昧にして居留守が精一杯」だと答えておいた。

この手の話はおとなになると結構オープンに共有しあえるもので、おとなって楽しい。お酒があるって楽しい。昼間、「糖質制限!」と声高に叫びながら、日が暮れた瞬間からビール専門店の情報を調べ続けている自分にふと気づき、この矛盾さえも日々の喜びなのだよと思ったりする。

ミステリアスは醸せないけど、それでも大人は楽しい生き物だ。

追伸. 電車はAmazon primeが最適かもしれない。先日、会社の最寄り駅につく頃に映画のクライマックスがきたせいで泣きながら出社。