吸収と表現の毎日

人生の余白を文字と旅で埋めていきたい

歌川国貞展へ.

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口の両端を左右それぞれの指でつまんで引っ張って「静嘉堂文庫(せいかどうぶんこ)」って言ってみてください。はい、失礼しました。

静嘉堂文庫美術館は、中高時代の通学路にあり大きな美術館ではないんだけれども松涛美術館根津美術館のように独特の魅力に包まれた場であり、展示会のそれもきゅっと心をつかんでくる。今は、お庭の梅がとてもきれい。

さて、歌川国貞展ということでもう年末からいつ行けるんやとじたばたこの日を待った。こどもの保育園行事が終わり、そのまま「江戸時代の絵を見る日です」と言って、連行。忍者好きの我が子に「江戸時代」はキラーワード。くるしゅうない。

美術館についてこどもに音声解説をせがまれたので春風亭昇々氏の音声解説機を渡してゆっくりじっくり回覧。最高です、もう最高。浮世絵なんて、制作現場を思うと数秒でその前を去るなんてできないもので、これ何色刷りかしらから始まり、ぼかしが入ってると「うぉー」、描かれた着物の柄の緻密さに「うぉー」、色のコントラスト或いはグラデーションに「うぉー」。たまに一部、同じ版を使いながら背景のみ描き替えたものがありこれも「うぉー」。今回は、吉原や品川を舞台にした作品が非常に多く、関連して女性の髪結いを模した鬘も飾られていて「うぉー」とまあ、感動の連続。

そんななかでもぜひ残り2週間みなさまにもご覧頂きたく2つお話させてください。

その1.見立娘壇之浦という作品、わかるほど膝を打つ

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一見、女性が3人水辺でお酒を呑み交わすだけの絵。しかし、この絵、実は平家と源氏の姿を模しているもの。着物の柄にご注目を。そしてこの続きはぜひ美術館で1185年に思いを馳せてご覧くださいませ。

その2.だけじゃない、国貞。タイアップ作品あり

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浮世絵好きな方でしたら『双筆五十三次』という広重&国貞のタイアップ作品集をご存知かもしれない。それの何点かがあり、こちらの絵は、品川(南の遊郭街、北は吉原)の女性を描いている。鏡台にのせているのは浄瑠璃の台本だそうで。広重の描いた風景画と国貞の描く人物像のタイアップ、天才かよ。五十三次の地図を持ちながら全作品観たい。

本日、浮世絵に興奮しすぎて、いつもにも増してかなり乱雑な文章を書いてしまったことをお詫びします。ちなみに静嘉堂文庫の帰り、そのままバスに再度乗って世田谷美術館に行くことができます。

みなさま、素敵な週末を。