吸収と表現の毎日

人生の余白を文字と旅で埋めていきたい

『言葉は静かに踊る』読了.

言葉は静かに踊る (新潮文庫)

言葉は静かに踊る (新潮文庫)

 

賛否両論ある作家だけど、私は嫌いじゃない。本のタイトルにふーっと惹かれたのと、なぜか哲学コーナーの近くにあったので手に取って、内容も確認せずに借りてきた。

結論、これは作家の薦める本についてのエッセイだった。個人的には面白くて、何冊か気になる本を見つけた。例えば『思春期病棟の少女たち(スザンナ・ケイセン)』、『ジャズ(トニ・モリスン)』、『喜びの秘密(アリス・ウォーカー)』、『パラサイト日本人論(竹内久美子)』、『手を洗うのが止められない(ジュディス・ラパポート)』など。

本の紹介の間に挟まれる彼女の文章は、彼女の属性について語るものもあり、また、日々の暮らしについて語るものもあり。実にタイトル通り、言葉は静かに踊っている。感情の起伏を読者に感じさせないように、だけど、小刻みに動いているようなそのくらいのエネルギーで語りかけてくる。私が彼女と同じ母親という同じ立場で強く共感したページは、まえがきにある。こどもを産んでから読書がままらなくなった寂しさを数行で述べていて、これが本当によくわかる。彼女がどうゆう解決に至ったのかわからないが(息子さんはまもなく成人のはず)、私に関して言えば、積読が増えていくのを横目に育児で力を入れたことは、我がこどもの文字の習得と読書の習慣化だった。今のところ成功している。

彼女も、人生のどこかで会って深く話をしたい女性のひとり。


*Writing BGM

クレモンティーヌづいているのは仏語の勉強しているのも一役かっていて。彼女の歌うオーシャンゼリゼは重くなくて心地よい。