モノ消費からのエスケープ.
世の中はバレンタインデーで盛り上がっていた日、会社から出てこどものお迎えの前に薔薇とチョコレートとカードを持って実家に走った。
両親の入籍記念日を祝うため、母の写真に彼女の大好きだった薔薇を飾るため、母の代わりに父に美味しいチョコレートを渡すため。こんな日に限って、電車は遅れていて、車内は咳き込む人で溢れていた。東京の地下鉄では音楽を奏でる人もいないのでApple Musicでひとりjazzyになりながら時間に追われる自分をちょっと遠くへ飛ばしたり。
サプライズで訪れたため父は留守にしていたけれど、プレゼントを置き、母の写真にキスをして今度はこどもを迎えに結構本気の駆け足。
なんだかもうモノ消費に飽きてしまった。疲れた、に近い。「欲しい」は尽きないかもしれないけれど、その感情に最近疑問がつきまとうようになってきた。本当にのこしていきたいモノだけ丁寧に傍に置いておいて、あとはもう旅に出ることにしたいと、家族の同意を得た。日々暮らす街に、時間や瞬間的充足感を満たすだけのモノはたくさんあるのだけど、自らの行動範囲を拡張することでしか得られない何かをまた探す人生に戻りたいと思う。
ごろごろとスーツケースを引いていくのも時にはいいけれど、リュックひとつでぽっと飛行機に乗っかるっていうのをあえてこの年齢、このライフスタイルの中に取り入れられるか。どれだけ時代や現場を脳裏に焼き付けられるか。iPhoneに溜まりゆく写真もいいけれど、昔一眼レフで撮りだめていた下手な写真のなかに自分の好奇心がぐっと詰まっていることを思い出してしまったり、1月末は自分の凡人ぶりに頭を悩ませるなど、これを進化の過程と信じて第二思春期の到来と呼ぶことにしました。
あ、でも本は買うかな。昨日も買ってしまい3冊もかばんに入れて会社と自宅を行き来している。どのタイミングを見計らって1日に3冊読むんだろうか。
*Writing BGM
始まりがたまらない一曲。