吸収と表現の毎日

人生の余白を文字と旅で埋めていきたい

『スキマの植物図鑑』読了.

 

カラー版 - スキマの植物図鑑 (中公新書)

カラー版 - スキマの植物図鑑 (中公新書)

 

小学校から自宅への行き帰りって、花や草と戯れていてとても時間がかかった記憶がある。友達とつるむ以上に自然に飲み込まれて、季節の変化を体で知ったあの日々をとても懐かしく思う。

最近は、春が来る直前の、背面からフワアァって吹き上げる風の予兆を感じる。桜の木を見ると花が咲く部分がぷっくりとしてきて滞りなくあの準備は進行中。菜の花も少しずつ花をつけ始め、花屋の軒先には気の早い春の花が並んでいる。季節の変化を感じる瞬間とは本当に贅沢なもので、その瞬間「ヒト」と「人間」の狭間で豪快に揺れる。

この本は、こどもが小学校に通い始めたら持たせたい。道端で咲く花について季節ごとにわけて写真と解説がついている。
ずいぶんと無邪気に道端の草花を採取して遊んだものだけど、特にドクダミやオオバコではよく遊んだ。ベトナムあたりではドクダミの根茎をそのまま生で食べるそうです・・・。マットな白色で塗られたような花が美しいなと思っていたけど、あのにおいに毎度負けそうだった。なのに、生で食べるんだ・・・。ユキヤナギやタラは見るだけだったけど、どこまでも繁殖していきそうな植物に感じていた。ヒメコバンソウは、抜きとったら、ご丁寧にいくつもの穂から茎の部分を半分ほど剥がして鈴のように垂らして左右に振って遊んだ。ぺんぺん草のようにカチャカチャとは鳴らず、穂がぶつかり合うかすかな感触だけが指を伝わる。そんな「コレジャナイ感」もまた自然が私に与えた一つの事実として刻まれている。ハルジオンは可愛いけど悪い奴な気がして触らなかった。

そうゆう小さな思い出を引き出しからひっぱりだしてくれる本もたまにはいい。
今年は、旅と植物に徹している。おうちのなかジャングル化計画も進行中で昨日はガジュマルが仲間入り。洗面台もオシャレな石鹸や気取ったタオルではなく、植物をどーんと置いたらいい感じ。


私たちは自然に勝てない。