『向田邦子の遺言』読了.
向田邦子は2通の遺言状もどきを残していた。その内容は、まるで事故によって突然人生が終わることを予感していたかのようなもの。
平成10年まで赤坂で「ままや」という小料理屋を開いていた妹の向田和子氏がその遺言状について紐解いていくのがこの本の話。読んでいくと二人の関係は、姉妹というよりもまるで母娘のように感じるところがある。
向田邦子作品には『父の詫び状』をはじめ、家族がよく登場するが、その時の描かれ方はかなり辛辣だなと思っていた。特にお母さんのボケ具合についての記述は笑いが止まらないけど、昭和初期の女性がここまで激しく家族を記述しているのは今読んでも驚き。向田邦子と阿川佐和子については、お父さんが非常に厳しいという印象があるので読んでいるこちらが震える。家族的にもそのような記述はOKではなかったらしく、家族の反応についても妹の目線から書かれている。
向田邦子好きの方には是非。私は小学生の時から向田邦子が大好きで仕方ないからたまらない。そして、向田邦子を肴に飲める方のご連絡も是非お待ちしてます。